お知らせ詳細

2020/01/01最近の話題

令和2年 年頭所感 西村健二会長理事長



あけましておめでとうございます。
令和2年を迎えるにあたり、謹んでご挨拶を申し上げます。

昨年は、わが国憲政史上初となる生前退位がなされ、5月1日の御即位・改元に続き、10月22日には即位礼正殿の儀が厳かに執り行われ、内外に御即位が宣明されました。朗らかな気持ちをもって新たな御代を寿ぎ、より良き時代にしていくのだ、と決意を新たにした方も多くいらっしゃることと思います。

一方で、昨年の日本列島は数多くの自然災害に見舞われ、国民生活に大きな影響を及ぼしました。取り分け10月に発生した令和元年台風15号および19号では、千葉県を中心に甚大な被害が生じました。東京都においても46の市区町村で建物の浸水被害や土砂崩れ、道路の寸断などの被害が発生したほか、八王子自動車検査登録事務所では、検査コース入り口付近の法面が崩壊し、持込検査業務を一時停止するなど自動車整備業についても大きな影響を及ぼしました。令和元年台風15号および19号により被災した方々に対し、お見舞い申し上げますとともに一日も早い復興をお祈り申し上げます。

さて、自動車の分野に目を向けますと、昨年の「第46回東京モーターショー2019」では、12年ぶりに100万人を超える総来場者数130万900人を数えるなど世間の大きな注目を集める中、国内外の自動車メーカーから市販を見据えたEVが複数発表されました。加えて、ダイムラーグループが、内燃機関の新規開発の中止およびEV専用パワートレーンの開発への注力を発表したことは、皆様もご記憶に新しいことと思います。内燃機関を搭載する自動車を発明した、いわば自動車の始祖とも言える同社がEV開発への注力を表明したことは、各社の動向とともにEVシフトの一層の加速を促すことが予想されます。
また、自動運転に関する分野においては、渋滞などの限られた環境下での運用に限定されるものの、自動運転レベル2でありながらハンズオフ(手放し運転)を許容する運転支援装置を備えた自動車が複数のメーカーから発売されるなど、将来の完全自動運転に繋がる電子制御技術が普及しつつあります。

昨年5月に公布された改正道路運送車両法では、ABS等の保安基準において性能要件が定められている装置についてスキャンツールを用いて合否判定を行う「OBD車検」や車検証の電子化、自動運行装置の整備作業等を追加した特定整備制度が定められ、自動車新技術等に対応し得る法整備がなされました。これを受けて、自動車整備技術の高度化検討会では昨年11月、特定整備制度において対象となる装置や作業、認証基準等について中間とりまとめを公表したところです。
東整振では、従前より開催しておりますメーカー別研修会において、引き続きエーミング等の運転支援装置に関する整備技術の充実化を図り、やがて来る完全自動運転時代に対応し得る整備技能の修得を促進し、時代の変化に対応する事業運営に資する取組みを推進してまいります。
そのほか、今後詳細が示される特定整備制度に関する情報の収集・伝達に努めるとともに、特定整備認証の取得支援等、会員事業場の皆様の合理的な事業運営に適う業務支援に尽力してまいります。

昨年11月に催されました「第22回全日本自動車整備技能競技大会」におきましては、惜しくも上位入賞は果たせなかったものの、東京代表選手両名の活躍は皆様にとっても強く印象に残ったことと思います。両選手を快く送り出していただいた事業場・支部・ブロックの皆様に対しましては、改めて感謝申し上げますとともに、次回第23回大会に向け、益々の整備技能の錬磨に励んでまいります。

また、同じく昨年11月には自動車整備人材の確保・育成対策として、一昨年に引き続き小中学生等とその保護者を対象とした「ワクドキ★くるま体験フェス2019」を行政当局の御協力の下、盛大に開催いたしました。当日は500名を超える来場者が訪れ、各展示をお楽しみいただきました。この取り組みは、中学生の職場体験やインターンシップに繋がる「クルマへの興味・関心」の醸成に資する取り組みであり、後の整備人材獲得につながる第一歩であります。本年におきましても継続して開催してまいります。

都整商におきましては、昨年3月に「第三次都整商あり方検討会」より提出された第三次提言を踏まえ、東整振との相互補完体制を維持し、購販事業の活性化と効率化に励んでまいります。特に、購販事業におきましては、現代の自動車整備業にとって必要不可欠な整備機器であり、特定整備の認証に必要不可欠なスキャンツールや、エーミング作業ツールの斡旋のほか、自動車ユーザーの安全意識の高まりから急速な普及を見せている後付け式の誤発進防止装置の斡旋等、ニーズに即した商品提案に努めてまいります。

業務支援の分野におきましては、自動車整備業賠償共済保険の加入促進を今後も継続して展開してまいります。整備受託車両への万一の時の備えとしての基本契約のほか、近年相次ぐ自然災害への備えとしての「水災特約」や、平成30年10月に新設以来、大変にご好評をいただいております販売用の中古自動車について補償を行う商品保険「&Ucar契約」についても強力に加入促進に努めてまいります。

本年7月から9月にかけてはいよいよ東京オリンピック・パラリンピック競技大会が催されます。陸上競技や柔道等、従来からの競技はもちろんのこと、スポーツクライミングやサーフィン等、今大会より初開催となる競技についても日本人選手の活躍が期待されます。一方で、競技会場が各地に点在する今大会では、競技会場等における輸送の安全を確保するにあたり、我々自動車整備業界が果たす役割は非常に大きなものがあります。自動車の安心・安全を通じ、大会の成功に貢献することで、業界の公共性と社会貢献の姿勢を示すまたとない機会となるのではないでしょうか。

確かな技術による定期点検整備の励行・啓発は、自動車新技術や新たな法制度への対応とともに業界の不変のテーマであります。少子高齢化の進行による自動車整備人材の不足等、業界を取り巻く環境は引き続き厳しい状況にありますが、東整振・都整商両団体が一体となって会員組合員の皆様への業務支援、業界の活性化に努め、組織を運営してまいります。

結びにあたり、関係官庁、関係団体、また会員組合員各位の深いご理解とご協力をお願い申し上げますとともに、皆様方の事業のご繁栄を祈念いたしまして年頭のご挨拶とさせていただきます。

ページトップへ